問題 <H22年問3>
図のような交流回路において、電源電圧は 120 [V]、抵抗は 20 [Ω]、誘導性リアクタンス 10 [Ω]、容量性リアクタンス 30 [Ω] である。回路電流 I [A] の値は。
— 答え —
回路電流は 12A。
【出典:平成22年度第一種電気工事士筆記試験問3】
解法と解説
方針
単相交流電源に抵抗とコイル、コンデンサが並列接続された典型的問題。必ず正答できるように。
並列接続の交流回路の問題を解く王道は、
- 各負荷にかかる電圧が同じを利用し
- 各負荷に流れる電流を求め
- それらを足し合わせて、回路全体の電流を求める
ふくラボ流攻略法 (複素数利用
注意事項:複素数利用
ふくラボ流では、交流回路の問題を解くために複素数を利用している。理由は、複素数の記号と考え方に慣れることができれば、圧倒的に簡単に問題が解けるようになるから。
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もし、頭は痛くならないけど、以下の記事を読んでもなんのことか分からない?と感じた場合には、まず「複素数を使った交流回路の問題の解き方」 (作成中) を読んでほしい。
解法
この問題では、電源電圧、抵抗・コイル・コンデンサのインピーダンス (リアクタンス) が全部決まっているので、手順に沿って回路電流を求める。
並列接続では、抵抗、コイル、コンデンサにかかっている電圧はともに電源電圧に等しい。
したがって、抵抗、コイルにそれぞれ流れる電流 I R、I L、I C は、オームの法則を使って、
回路電流は3つの電流の和だけど、これらの電流は位相差があるから、位相付きで足し合わせると
電流の図を描くと、
したがって、回路電流 I は 10A。
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まとめ
並列接続の単相交流回路の問題は王道の解法で。
- 各負荷にかかる電圧が同じを利用し
- 各負荷に流れる電流を求め
- それらを足し合わせて、回路全体の電流を求める
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