【電気電子回路】ダイオードの回路を理解・設計する最重要ポイントは電位差0.6V

電子回路の勉強や設計・製作をしていて、ダイオードを知らない人はいないだろう。

そして、ダイオードの特徴、特性は?と質問されると、

  • 整流作用
  • 電圧降下は 0.6~0.7V

とほぼ全員の人が答えられると思う。あなたもそうじゃないだろうか?

それでは、ダイオードを使った回路の動作を理解、回路を設計するときの最重要ポイントは、

ダイオードに(順方向に)電流が流れるときには、ダイオード両端の電圧(電位差)は必ず 0.6~0.7V

と聞いたら、あなたはどう思う?

「そんなの当たり前。ダイオードの特徴と同じこと言っているじゃないか」と感じるだろうか?

でも、最重要ポイントを十分理解して回路設計に活かせている人は非常に少ない、というのが、私のこれまでの実感。

そこで、この記事では、あなたがダイオードを使った回路の動作を理解、回路を設計できるように最重要ポイントを体得してもらおうと思う。

ダイオード

ダイオードブリッジを説明できるか?

先に書いたが、整流作用、電圧降下 0.6V はダイオードの重要性質

しかし、これら2つの性質は知っていても、じゃぁダイオードを使った回路の動作を説明できるか?仕様通りに設計できるか?と問われると、けっこう多くの人ができない。これ、ほんとに大真面目。

例えば、回路設計を仕事にしている後輩や同僚に「単相交流を直流に変換する回路を作っておいて」とお願いすれば、全員ダイオードブリッジ回路を作ってくれる。

だ、が、「なんでダイオードブリッジ回路で変換できるの?」という問いに明確に答えられた後輩はほぼ皆無

というわけで、あなたがダイオードブリッジで交流を直流に変換できる原理を明確に説明できるなら、この記事はすっ飛ばしてほしい。

なお、以下の説明において、正確に説明するには「順方向電圧降下 VF」という言葉を使うのが最も良いのだが、堅っ苦しい言葉を使うことであなたが拒否反応を示す可能性が高くなるのを防ぐために、この記事では順方向電圧降下 VF の代わりに 0.6V というシリコン半導体の P-N接合での典型的な電位差の値で説明する。予めご了承いただきたい。

ダイオードの最基礎回路

あなたにダイオードの最重要ポイントを理解してもらうために、まず質問。

下図の回路では電流がどのように流れるだろうか?理由をつけて説明して欲しい。

ヒントは各点の電位がどうなるか?である。

電位の高いほうから流れる

正解は下図のように、電位の高い 10V 電源ラインから電流が流れ、5V電源からは電流が流れないである。

原理の説明

この10V電源からだけ電流が流れ出す原理は、次のように考えていけば説明できる。

5V回路だけを考える

まず、5V電源だけがつながっている回路を考える。

当然、電流は 5V電源から流れ出し、ダイオードを流れ、抵抗を通過して、再び 5V電源に戻る。

このとき注目して欲しいのは、最重要ポイントとして挙げた

ダイオードに電流が流れるときには、ダイオード両端の電圧(電位差)は必ず 0.6

ダイオードのアノードは 5V電源とつながっているから、アノード側の電位は 5V。そして、ダイオードに電流が流れるから、カソード側の電位は 5-0.6 = 4.4V になる。

10V回路を追加

この状態から、10V電源+ダイオードが回路に追加接続された場合を考える。

10V側ダイオードのアノード電位は 10Vで、カソード側は 4.4V。だから、10V側ダイオードは「あ、電流流せる(流れる)」と思い、電流を流す。

すると次の瞬間、最重要ポイントの通り、アノードとカソード間の電位差が 0.6Vとなるように、カソード側電位が 4.4V → 9.4Vへと跳ね上がる。

するとすると、5V側ダイオードは、カソード側電位(9.4V)がアノード側電位(5V)より高くなったので、整流作用によって電流をストップする。

定常状態では

そして、最終的には、10V電源から電流が流れ出し、5V電源からは電流が流れ出さない状態で落ち着く。

以上が、10V電源から電流が流れ出す原理である。

どうだろう?ダイオードの最重要ポイントを利用して、回路の動作原理を説明することができただろうか?

まとめ

ダイオード回路の動作原理を理解する上での最重要ポイントは、

ダイオードに電流が流れるときには、ダイオード両端の電位差は必ず 0.6~0.7V

この最重要ポイントを利用して、回路の動作原理を説明することができたら、次の記事でダイオードブリッジの動作原理マイコンやICを異常電圧から保護するクランプ回路の原理について納得してもらおう。

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