【電気工事士1種 過去問】コイルに直流電源を接続した場合(2019年度問4)

問題 <2019年問4>
図のような回路において、直流電圧 80V を加えたとき、20A の電流が流れた。次に正弦波交流電圧 100V を加えても、20A の電流が流れた。リアクタンス X [Ω] の値は。

— 答え —
リアクタンス X は 3Ω。

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解法と解説

方針

コイルに直流電圧をつなげるという、珍しいタイプ。

コイルが「超維持派」と分かれば、あとは、抵抗とコイルを直列接続した単相交流回路。

ふくラボ流攻略法 (複素数利用)

複素数利用

ふくラボ流では、交流回路の問題を解くために複素数を利用するので要注意。

なので、「複素数」と聞いて、あなたの頭が悲鳴を上げるようなら、これより下は読まないほうが良い。別の解説記事を読むのをお勧めする。

もし、頭は痛くならないけど、以下の記事を読んでもなんのことか分からない?と感じた場合には、まず「複素数を使った交流回路の問題の解き方」 (作成中) を読んでほしい。

動画解説

動画のほうが分かりやすい方はこちらから。

解法

まず、直流電源 80V をつなげた場合を考える。

コイルは「超維持派」で、電圧・電流が変化するときには変化を妨げるように働く。一方、一定電圧電源みたいに変化しない電源につなげると、十分時間が経過した状態 (定常状態と呼ぶ) では抵抗(インピーダンス) 0Ω のように振る舞う。

このため、直流 80V 電源をつなげてしばらくしたら、コイルのリアクタンスは と考える。

この回路なら抵抗 R はすぐ求まる。
R = 80 / 20 = 4[Ω]

そうしたら、次は交流 100V 電源に繋ぎ変える。

この回路は、単相交流回路の典型パターンの一つ。抵抗とコイルの直列接続。

回路全体のインピーダンス Z

位相付きインピーダンスの図で表すと、

電圧 100V、電流 20A だから、オームの法則を使って

両辺 20 で割って、分母を払って、二乗してと、ごにょごにょ計算すると、X = 3。

よって求めるリアクタンス X

動画解説

動画のほうが分かりやすい方はこちらから。

まとめ

コイルに直流電源を接続するという一風変わったことをさせるが、それができてしまえば、あとは抵抗+コイルを直列接続した単相交流回路。

いつもの手順通り、

  1. 回路全体のインピーダンスを求め
  2. オームの法則で電流を求める

で解いていこう。

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