問題 <2019年問7>
ある変圧器の負荷は、有効電力 90kW、無効電力 120kvar、力率は 60% (遅れ) である。
いま、ここに有効電力 70kW、力率 100% の負荷を増設した場合、この変圧器にかかる負荷の容量 [kVA] は。
— 答え —
負荷増設後の変圧器の負荷容量は 200kVA。
【出典:2019年度第一種電気工事士筆記試験問7】
<力率改善の問題を今日マスターしたいあなたには>
・H29年問6(力率改善とコンデンサ容量)
・H23年問21(力率改善とコンデンサ容量)
・R3年午前-問9(力率改善とコンデンサ容量)
解法と解説
方針
負荷を追加したときの変圧器負荷容量を求める問題は稀だが、解法は力率改善の類似。力率改善をマスターした後の学習が効率的。
ふくラボ流攻略法
この問題は、進相コンデンサによる力率改善の問題を解く方法をまねる。異なるのは追加するのが進相コンデンサではなく、負荷であること。
力率が遅れの負荷に力率 100% の負荷を並列で追加しているので、有効電力が増える向きに追加負荷の有効電力成分を加える。こんな感じ。
ここで、遅れ負荷の有効電力と無効電力をそれぞれ P 1、Q 1、遅れ負荷のみのときの皮相電力を S 1 とする。また追加する負荷の有効電力を P R、追加後の皮相電力を S 2 とおいた。
ここまでできれば、あとは直角三角形の問題。対角線の長さ S 2=皮相電力を計算する。
計算すると、S 2 = 200kVA。
この皮相電力を変圧器は出力していることになるので、求める変圧器容量は 200kVA。
まとめ
負荷を追加したときの変圧器負荷容量を求める問題は稀だが、解法は力率改善の類似。力率改善をマスターした後の学習が効率的。
力率に関する問題は電力の三角形を利用する。
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