高圧電路の電流計測に必要な変流器 CT は、変圧器 VT に負けず劣らず、重要問題。
押さえるポイントは次の3つ。
- 単線図・複線図と接続
- 機能と仕様
- 二次側回路の取外し
過去問を繰り返し解き、確実にマスターして、合格を。
変流器CTの過去問対策
変流器CT のポイント。
- 単線図・複線図と接続
- 機能と仕様
- 二次側回路の取外し
単線図・複線図と接続
変流器CT 周辺の単線図は下の通り。
高圧電路に CT が取り付けられ、その二次側に過電流継電器 OCR をつなげる。
OCR は遮断機 CB と繋がっており、高圧電路に過電流が流れたら、CBに回路遮断の信号を送る。
複線図
三線の高圧電路の過電流・短絡電流を CTで検出するための配線(複線図)は次の通り。
2個の CT を3相のうち2相に接続する。
二次側の一端子には D種接地工事を施す。
接続
変流器 CT を高圧電路に設置するときの基本ルールは以下の通り。
- 高圧電路側(1次端子側)は大文字のKとL端子に結線
- アルファベット順で早いKを電源側、Lを負荷側に結線
- 低圧電路側(2次端子側)は小文字のkとl端子に結線
→ 過去問
・R3年午後-問48(CTの複線図)
・R2年問48(CTの接続台数)
・R2年問48(CTの接続台数)
・H29年問46(CTの接続)
・H28年問50(CTの接続台数)
・H27年問46(CTの複線図)
・H23年問44(CTの端子)
名称と機能・役割
変流器は英語で Current Transformer; CT のことで、文字通り電流を大きく/小さく変換する。
高圧電路に流れる大電流を直接計測しようとすると、計測器は高い電圧に耐え、しかも大電流を計測できなければならない。それは技術的にも価格的にも無駄。
このため、変流器で小さい電流に変換して、電流計や継電器に送る。
外観
CTの外観と、引掛けで出題される零相変流器 ZCT の外観を示す。両者を混同しないように。
→ 過去問
・R2年問23(CTの用途)
・H30年問45(CTの働き)
・H25年問22(CTの外観と働き)
・H22年問46(CTの働き)
試験には無関係なCT機能の追加情報
高圧受電設備用の変圧器 VT は、定格電圧 6,600V/ 110V(H23年問42) と仕様が決まっている。
これに対し、(高圧受電設備用の)変流器 CT は二次側電流 5A とだけ決められている(仕様の標準化)。
この規定(約束事)により、高圧電路に流れる電流値に関係なく、CT 二次側の回路・機器は同じ設計にすることができる。
一方、CTは高圧電路の電流によって選定する。
CTは変流比(CT比)というもので製品個別の仕様が決まる。例えば、50/5 (一次側に 50A 流れたら二次側に 5A流れる) とか、200/5 (一次側 200A → 二次側 5A)のように。
二次側の取外し
変流器CTは、原理は変圧器(トランス)と同じだが、決定的に違う点は、CT一次側の電流値の大小に応じて二次側に電流を発生させる点。
この点をもっと別の言葉で言い換えると、二次側回路に力ずく(?)でも電流を流そうとする。。
このため、二次側回路の抵抗が低いときには問題ないのだが、抵抗が高いときに問題が発生する。なんせ力ずくで電流を流そうとするのだから、抵抗が高いのなんておかまいなし。とびっきりの高電圧を発生させてでも電流そうとする。
(他の記事を参照すると、数千ボルトもの電圧を発生させれるらしい…)。
だから、CT 一次側に電流が流れているときに二次側を開放=高高抵抗状態にしてしまうと、二次側に高電圧を発生させる。これ、非常に危険。
したがって、CT 一次側に電流が流れている状態で、二次側回路の電流計を取り換えるなどの接続を変えたいときには、
- 二次側端子両端を短絡させ、端子間電圧 ~0V を確認
- 機器を取り外す、交換する
- 短絡(回路)を外す
の手順を厳守すること。
→ 過去問
・H29年問20(CT二次側機器の取外し)
・H21年問20(CT二次側機器の取外し)
まとめ
高圧電路の電流計測に必要な変流器 CT は、変圧器 VT に負けず劣らず、重要問題。
押さえるポイントは次の3つ。
- 単線図・複線図と接続
- 機能と仕様
- 二次側回路の取外し
過去問を繰り返し解き、確実にマスターして、あなたが1回で電気工事士1種に合格できるように応援している!
関連問題
・R3年午後-問48(CTの複線図)
・R2年問23(CTの用途)
・R2年問48(CTの接続台数)
・H30年問45(CTの働き)
・H29年問20(CT二次側機器の取外し)
・H29年問46(CTの接続)
・H28年問23(SRの用途; CTで引掛け)
・H28年問50(CTの接続台数)
・H27年問46(CTの複線図)
・H25年問22(CTの外観と働き)
・H23年問44(CTの端子)
・H22年問46(CTの働き)
・H21年問20(CT二次側機器の取外し)