<問題 2019年問34>
⑤に示す高圧受電設備の絶縁耐力試験に関する記述として、不適切なものは。
<解答の選択肢>
- 交流絶縁耐力試験は、最大使用電圧の 1.5倍の電圧を連続して 10分間加え、これに耐える必要がある
- ケーブルの絶縁耐力試験を直流で行う場合の試験電圧は、交流の 1.5倍である
- ケーブルが長く静電容量が大きいため、リアクトルを使用して試験用電源の容量を低減した
- 絶縁耐力試験の前後には、1000V 以上の絶縁抵抗計による絶縁抵抗測定と安全確認が必要である
— 答え —
直流で行う場合の試験電圧は、交流の 2倍が正。なので、不適切なのは2。
<絶縁耐力試験の問題を今日マスターしたいあなたには>
・H29年問37(試験電圧)
・H26年問37(試験電圧)
・H25年問37(絶縁耐力試験の総合問題)
解法と解説
方針
高圧の電路や機器・装置の絶縁耐力試験の電圧に関連した問題は 13年で 7問出題。合格に必要な問題。
ふくラボ流攻略法
試験電圧の計算式は、
そして、試験時間は連続10分間。
この2つをマスターしていれば、選択肢2の「直流での試験電圧は交流の 1.5倍」が不適切だと分かる。
本番はここでマークして、次の問題へ。
他の選択肢の検討
他の選択肢についての補足説明。
選択肢1
電圧式と時間(連続10分間)の両方とも正しい。
選択肢3
直流で試験する理由は、ケーブルの場合は対地静電容量が大きく(ケーブル-大地間に大きなコンデンサが形成される)、交流インピーダンスが低くなるため、交流試験だとそのコンデンサに電流が流れて、試験に必要な電圧を確保するためには試験用電源のパワーを大きくしなければならないからである(直流だと、コンデンサに電流は流れない)。
この事実を知っていれば、有効電力と無効電力、皮相電力の関係から、無効電力を減らすためにリアクトルを使うのは正しい、と判断できる。
選択肢4
絶縁耐力を試験するために高電圧を連続 10分間印加するわけだが、この試験で絶縁性能が劣化することだってあり得る。
だから、絶縁耐力試験の前後に絶縁抵抗を測定し、絶縁性能が低下していないか安全確認することは正しい、と判断される。
まとめ
高圧電路の試験に関連した問題は 13年で 7問出題。合格には押さえておきたい問題。
- 試験電圧の計算式
- 試験時間は連続10分
試験電圧の計算式は、
上式をマスターすれば電工1筆記試験はOK。
類似問題・関連記事
・R3年午前-問37(試験電圧)
・2019年問34(絶縁耐力試験の総合問題)
・H29年問37(試験電圧)
・H26年問37(試験電圧)
・H25年問37(絶縁耐力試験の総合問題)
・H23年問35(試験電圧)
・H21年問35(絶縁耐力試験の総合問題)