接地工事は合格に絶対必要な項目。
その中でも、B種接地工事は少々異端(?)で、他の工事との出題傾向が違う。そして13年で 8回出題されているという、合格重要項目!
合格重要項目だが、出題問題はよく似ている。重要ポイントを早めにマスターし、一発合格を目指そう。
重要ポイントは、大きく分けて3つ。
- B種接地工事箇所は第4グループのみ
- 施工場所
- 抵抗値
B種接地工事の試験対策
- B種接地工事箇所は第4グループのみ
- 施工場所
- 抵抗値
B種接地工事箇所は第4グループのみ
まず、絶対に暗記すべき単線結線図+接地工事をみてもらおう。
これを見ると、B種接地工事は、一番下、第4グループの高圧→低圧の変圧器(トランス)部分にしかないことが分かるだろう。
ここ、最初に押さえておくポイント。
→ 過去問
・h21年問34(複合問題)
施工場所
B種接地工事を施す場所は非常に限られていて、高圧電路と低圧電路をつなぐ変圧器の
- 低圧側(二次側)の中性点
- 中性点への施工困難なときは、300V以下の二次側1線
- 非接地のときは、混触防止板
中性点
施工場所は「変圧器の二次側中性点あるいは300V以下の二次側1線」と規定されている。
そして電工1筆記試験では、なぜか V-V結線で出題されることが多い。それがこちら(2019年問50))。
V-V結線図では、1φ3W 210-105V の中性点(中性線)が存在する。
そこで接地線は中性点に接続する。
ちなみに、他の選択肢がこちら。
ハを除いた他の3つは、中性点があるにもかかわらず、電圧のかかる線に施工している。これは×。
中性点が難しいとき
中性点が難しい、もしくは無いとき。そんなときは、300V以下の二次側1線
このタイプの出題がH24年問21。
問題:B種接地工事を施す場所として誤っているものは
選択肢:
- 6.6[kV] / 210-105[V] 単相変圧器の低圧側の中性点端子
- 6.6[kV] / 210[V] 三相変圧器(二次側:三角結線、低圧電路非接地)の金属製の混触防止板
- 6.6[kV] / 210[V] 三相変圧器(二次側:三角結線)の低圧側の1端子
- 6.6[kV] / 420[V] 三相変圧器(二次側:星型結線)の低圧側の1端子
この問題、選択肢をよーく読んでいかないと引っかかる。
解き方は、
1.中性点があるか、ないかをまず判断
2.中性点がないなら、電圧を確認
中性点がある/ないを判断するのがやっかいかもしれないが、スター/デルタ結線を理解できていれば、対応できるはず。
非接地
非接地の場合、混触防止板に施工する。
このタイプの問題の例は、さっき紹介した問題(H24年問21)にあったのだが、
非接地と書いてあったら、最後の砦である混触防止版に。
→ 過去問
・2019年問50(V結線とB種接地工事)
・H24年問21(B種の施工場所)
・h23年問48(V結線とB種接地工事)
接地抵抗
B種接地工事は、A、C、D種と異なり、接地抵抗が固定値ではなく、
1.高圧電路の 1線地絡電流 I [A]
2.高圧電路の遮断装置の遮断速度
によって変化する。
それらの関係を図示したのがこちらの図。
この図を使って、どのように抵抗値を決めていくかは次の通り。
- 高圧電路 1線地絡電流 I[A] を問題文から確認
- 高圧電路に遮断装置が取り付けられているかを問題文から確認
- 取り付けられていなければ、1番右の 150/I[A] が抵抗値
- 取り付けられている遮断装置が 1~2秒で電路を遮断できるとき、300/I[A]
- 取り付けられている遮断装置が 0~1秒で電路を遮断できるとき、600/I[A]
このようにして、B種接地工事の接地抵抗を求めることができる。
つまりB種接地工事の特徴として、性能の良い(=速断できる)遮断器が備わっていれば、接地抵抗は大きくても目をつむる、という点がある。
特殊な問題
通常の問題は接地抵抗値をそのまま求めさせる。
ただ、たまにひねった問題が出題される。その典型がH23年問20。
問題:B種接地工事の接地抵抗値を求めるのに必要とするものは。
<解答の選択肢>
- 変圧器の抵抗側電路の長さ[m]
- 変圧器の高圧側電路の 1線地絡電路電流[A]
- 変圧器の容量[KV・A]
- 変圧器の高圧側ヒューズの定格電流[A]
これは、すぐ上の「接地抵抗」節でも話したが、接地抵抗値を決める最初の手順が、「高圧電路 1線地絡電流 I[A] を問題文から確認」すること。
この手順をマスターできていれば、上の問題では2の「変圧器の高圧側電路の 1線地絡電路電流[A]」を選ぶことができるだろう。
→ 過去問
・R3年午後-問21(B種の接地抵抗)
・H27年問35(B種の接地抵抗)
・H25年問32(B種の接地抵抗)
・H23年問20(B種の接地抵抗)
・h21年問34(複合問題)
まとめ
B種接地工事は13年で 8回出題されているという、合格重要項目!
重要ポイントは次の3つに分けられる。
- B種接地工事箇所は第4グループのみ
- 施工場所
- 抵抗値
今回ご紹介した方法を実践することで、あなたが1回で電気工事士1種に合格できるように応援している!
関連問題
・R3年午後-問31(B種で引っ掛け)
・R3年午後-問21(B種の接地抵抗)
・2019年問50(V結線とB種接地工事)
・H27年問35(B種の接地抵抗)
・H25年問32(B種の接地抵抗)
・H24年問21(B種の施工場所)
・H23年問20(B種の接地抵抗)
・h23年問48(V結線とB種接地工事)
・h21年問34(複合問題)