問題 <R2年問7>
図のように、三相 3線式構内配電線路の末端に、力率 0.8 (遅れ) の三相負荷がある。この負荷と並列に電力用コンデンサを設置して、線路の力率を 1.0 に改善した。コンデンサ設置前の線路損失が 2.5 kW であるとすれば、設置後の線路損失の値 [kW] は。
ただし、三相負荷の負荷電圧は一定とする。
— 答え —
力率改善後の配電線路の電力損失は 1.6kW。
【出典:令和2年度第一種電気工事士筆記試験問7】
<力率改善の問題を今日マスターしたいあなたには>
・2019年問7(負荷を増設したときの負荷容量)
・H29年問6(力率改善とコンデンサ容量)
・H22年問9(力率改善後の変化)
解法と解説
方針
力率改善の問題は、力率の基礎に加えて電力損失などを伴う複合問題が多い。合格必須項目マスターの習得をお勧めする。
ふくラボ流攻略法
力率改善前と改善後それぞれの状態で、電流・電力損失を求める。
改善前
配電線路と負荷の回路図を、問題文の単線図ではなく、電力損失を求めるときの図に書き直すと、
三相負荷に定格電圧 V [V] がかかっているとすると、三相負荷に対する電圧 V [V]、定格電流 I [A]、消費電力 P [W]、力率 cos θ の関係から、
三相 3線式配電線路の電力損失は 2.5 kW だから、
先ほど求まった I 1 を上の式に代入して計算してゴニョゴニョ計算すると、
改善後
力率を改善するために進相コンデンサを入れた回路図は、次の通り。
改善後は力率 cos θ = 1.0 で、負荷電圧は一定 = V のままだから、
改善後の電力損失は
この最後の式の値は、ちょうど改善前の計算から求まっている。したがって、改善後の電力損失の値は、
まとめ
力率改善の問題は、力率の基礎に加えて電力損失などを伴う複合問題が多い。合格必須項目マスターの習得をお勧めする。
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