問題 <R3年午後問9>
図のように、直列リアクトルを設けた高圧進相コンデンサがある。この回路の無効電力 (設備容量) [var] を示す式は。
ただし、X L < X C とする。
<解答の選択肢>
【出典:令和3年度第一種電気工事士筆記試験-午後問9】
無効電力を示す式は、選択肢イ
<三相電路の無効電力問題を繰り返し練習したいあなたには>
・2019年問9(直列リアクトル+高圧進相コンデンサ)
・H25年問9(直列リアクトル+高圧進相コンデンサ)
解法と解説
方針
この問題は計算問題では珍しく 13年で 4回ほぼ同じ問題で出題されている合格の分かれ道。
ふくラボ流攻略法
配電線路に直列リアクトルが描かれているが、ちょっと見方を変えれば、”コイル+コンデンサ” の直列接続をスター結線 (Y結線) した負荷に三相交流電源を接続した、典型的な回路。
王道の解法で解ける。
- Y結線の1相を取り出す
- 単相交流回路の電流を求める
- 回路全体に直す
回路の書き直し
問題文の回路は、配電線路にある直列リアクトルとY結線負荷の進相コンデンサは、直列で接続されている。このため、ちょっと見方を変えると、次のような回路に描き直せる。
つまり、”コイル+コンデンサ” の直列接続をスター結線 (Y結線) した負荷に三相交流電源を接続した回路。
1相取り出す
負荷部分はY結線なので、1相にかかる電圧 V 1 は電源電圧 V の 1/√3 倍。
よって、1相分取り出すと、
コイルとコンデンサのリアクタンスはそれぞれ X L、X C で、X C > X L。その 2つの直列接続だから、合成インピーダンス Z 1 は、
この回路に流れる電流 I 1 は
コイル+コンデンサでの無効電力 Q 1 は、抵抗での消費電力と同じ求め方で、
全無効電力
回路の全無効電力 Q は 3相分で、
まとめ
配電線路に直列リアクトルが描かれているが、ちょっと見方を変えれば、”コイル+コンデンサ” の直列接続をスター結線 (Y結線) した負荷に三相交流電源を接続した、典型的な回路。
王道の解法で解ける。
- Y結線の1相を取り出す
- 単相交流回路の電流を求める
- 回路全体に直す
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