コンセントの問題は、差込口から定格電圧を答えるシンプル問題から、コンセントとスイッチと組み合わせた難解な問題など、10年で 8回出題の重要問題。
このコンセント問題。正攻法(王道)で解こうとすると、細かい数字や、似た形の差込口を覚える必要があり、けっこうめんどくさい。
そこで、ここまで簡単化して覚えても解ける=合格するだろう、という対策ポイントをあなたにお伝えする。
- 250V超えコンセントの出題なし
- 250V以下で使用するので、接地工事はD種(ときどき省略可)
- 差込口で100V(定格125V) / 200V(定格250V)を見極める
- 差込口で一般形か、抜止形/引掛形を見極める
- 引掛形は専用プラグ
- コンセントは”コンセントの定格電流以上の遮断器”で守られた電路に取付
- 医用コンセント
コンセント問題をいただき問題にして、合格安全圏に達してほしい。
コンセントの試験対策
試験対策のポイントは次の7つ。
- 250V超えコンセントの出題なし
- 250V以下で使用するので、接地工事はD種(ときどき省略可)
- 差込口で100V(定格125V) / 200V(定格250V)を見極める
- 差込口で一般形か、抜止形/引掛形を見極める
- 引掛形は専用プラグ
- コンセントは”コンセントの定格電流以上の遮断器“で守られた電路に取付
- 医用コンセント
250V超コンセントの出番なし?
コンセントは 単相 100V、200V用、三相200V用、電流が 15A、20A…接地極あり/なし、一般形/抜止形/引掛形の別で、差込口のやプラグの形状が決まっている。
で、電気工事士1種の筆記試験を合格するための試験勉強の王道は、差込口や写真からそのコンセントの電圧/電流/形を見分けられるようになること。
しかーし、正直無茶苦茶ややこしい上に、過去問における出題率は、高圧受電設備の装置より高いわけでもない。
そ、こ、で、あなたに一つの提案をする。それは、差込口のイラストや、コンセントの写真が出たときには、
200V超用(定格250V超)ではない
と思い込むことを。
事実、過去問を繰り返し見直したが、電気工事士1種の筆記試験では過去10年間、コンセントの差込口のイラストや写真を見せたとき、そのコンセントが 定格 250V超 であったことはない。
というわけで、あなたが合格安全圏に達するまでは、
差込口のイラストや、コンセントの写真が出たときには、200V超用(定格250V超)ではない
と思い込むことをお薦めする。
接地工事
上の「250V超のコンセントの出番なし?」の記事とも絡んでくるのが、接地工事について。
コンセントと絡めて、接地工事の種類を問う問題が出題される。
で、上で説明した通り、コンセントの問題で 250V超 の電圧で使う場面の問題は出題されたことがない。
なので、問題文に「400Vのコンセントの接地工事」というような文言が見当たらないときは接地工事は D種 と判断して良い。
過去問の例題
- 定格電流 20 A の配線用遮断器に保護されている電路に取り付けた
- 単相 200 V の機器用コンセントとして取り付けた
- 三相 400 V の機器用コンセントとしては使用できない
- 接地極には D種接地工事を施した
コンセントの写真が載っているので、このコンセントは 100Vか 200V用と思い込む。したがって
3:「三相 400 V の機器用コンセントとしては使用できない」は正しい
4:「接地極には D種接地工事を施した」は正しい
とすぐに判断する。
→ 過去問
・H30年問26(コンセント総合問題)
・H27年問25(コンセント総合問題)
・H24年問26(スイッチ・コンセント複合問題)
・H23年問24(コンセント総合問題)
差込口と電圧
コンセントの差込口のイラストを見せて、そのコンセントが何V用コンセントかを判断させる問題が 10年で2回出題されている。
コンセントの一般形(抜止形と引掛形を除く) の 100V、200V の見極めは、
- 2つの刃が平行なのが 100V
- 2つの刃が一直線状なのが 200V
実際の過去問で訓練しよう(H25年問24)。
イ、ハとニは、刃の差込口の2つが(横方向に)一直線状にある(L字形にはなっているが)。よって 200V(定格250V)用。
これに対し、ロは差込口2つが(縦方向に)平行なので、100V(定格125V)用。
→ 過去問
・H25年問24(コンセントの定格電圧)
・H22年問24(コンセントの定格電圧)
一般形/抜止形/引掛形
コンセントは差込口の形状から一般形、抜止形、引掛形に分かれる。
このうち一般形と抜止形は、あなたも自分の家や学校、職場で何度も見て、お世話になっていると思う。
両方とも 2極接地極付の 100V用テーブルタップ。上が一般形で、下が抜止形。
一般形はプラグを差し込むだけ。一方、抜止形は挿し込んでから回転させることで(簡単には)抜けなくなる。
そして、こちらが引掛形。
普段このコンセントを見かけることは少ないかもしれないが、部屋の電灯(シーリングライト)はこのタイプ。なので、あなたが技能試験の練習をするときには、この引掛形である引掛けシーリング(角型)のお世話になる。
抜止形もプラグの抜け防止構造であるが、引掛形はさらに抜け防止能力が強い(だから、落下事故が起きないように、電灯はこのタイプ)。
で、特徴は、一つの差込口の端がL字に曲がっている点。もうひとつの特徴が専用プラグを使うこと。
→ 過去問
・H24年問26(スイッチ・コンセント複合問題)
取り付けれる電路
何度も登場してもらっている、このコンセント。
真ん中に 30 という数字が見えるだろう。
この 30 がコンセントの定格電流を表しており、このコンセントの定格電流は 30A。
で、筆記試験では、このコンセントの取り付けができる電路についての問題が出題される。こんな感じで。
(H30年問26)
・定格電流 20 A の配線用遮断器に保護されている電路に取り付けた
これをきちっと解こうとするならば、電技解釈第149条(低圧分岐回路等の施設)に規定された
・配線用遮断器の定格電流
・電線の太さ(軟銅線)
・コンセントの定格電流
を理解・記憶する必要がある(らしい)。
しかし、これは非常にめんどくさい(ので、私は電工1では記憶しなかった)。
そこで、私が実践して問題を解くのに困らなかった対策をあなたに提案。それは、
コンセントは、コンセントの定格電流以上の遮断器で保護された電路に取り付ける
厳密には正しくないが、電工1筆記試験をパスするためにはこの理解で十分通用する。
→ 過去問
・H30年問26(コンセント総合問題)
・H27年問25(コンセント総合問題)
・H23年問24(コンセント総合問題)
医用コンセント
医用コンセント。文字通り、医療用電気機器用コンセント。
見分け方は一点!
コンセント表面の中心付近に「H」マークが見えると思う。この「H」は Hospital(病院) の H を表している。
これがあったら迷わず医用コンセントである。
→ 過去問
・H28年問24(医用コンセント)
・H24年問24(医用コンセント)
実際の医用コンセント
実際の医用コンセントの写真がこちら。Panasonic製のWN1318K 医用埋込アース付ダブルコンセント。
写真では正直「H」マークははっきりとは分からない。真ん中に何かしらのマークがあるのは分かるんだけど…というレベル。
試験問題の図は「H」がすぐに分かるように修正してくれているのかもしれない(真相は謎)。
まとめ
コンセント問題を合格レベルに上げるためにマスターすべきことは…
- 250V超えコンセントの出番なし
- 250V以下で使用するので、接地工事はD種(ときどき省略可)
- 差込口で100V(定格125V) / 200V(定格250V)を見極める
- 差込口で一般形か、抜止形/引掛形を見極める
- 引掛形は専用プラグ
- コンセントは”コンセントの定格電流以上の遮断器”で守られた電路に取付
- 医用コンセント
全てをマスターしてあなたが1回で電気工事士1種に合格できるように応援している!
関連問題
・H30年問26(コンセント総合問題)
・H27年問25(コンセント総合問題)
・H25年問24(コンセントの定格電圧)
・H24年問26(スイッチ・コンセント複合問題)
・H23年問24(コンセント総合問題)
・H22年問24(コンセントの定格電圧)