問題 <H30年問12>
変圧器の鉄損に関する記述として、正しいものは。
<解答の選択肢>
- 電源の周波数が変化しても鉄損は一定である
- 一次電圧が高くなると鉄損は増加する
- 鉄損はうず電流損より小さい
- 鉄損はヒステリシス損より小さい
— 答え —
正しいのは、2の「(変圧器の)一次電圧が高くなると、鉄損は増加する」
【出典:平成30年度第一種電気工事士筆記試験問12】
<変圧器の損失を繰返し練習したいあなたには>
・H25年問11(変圧器の鉄損・銅損)
・R3年午前-問12(変圧器の鉄損・銅損)
・R2年問12(変圧器の鉄損・銅損)
解法と解説
方針
変圧器の損失に関する問題は、R3年に出題され、13年で 4回出題の合格の分かれ道項目へ昇格。合格分かれ道事項のマスタ-後での学習を。
ふくラボ流攻略法
変圧器の効率はかなり良いのだが、それでも効率 100% = 損失無しというわけにはいかない。
で、理解して覚えて欲しいのがこの図(?)
変圧器での損失は大きく2種類あって、鉄損と銅損。
鉄損は、変圧器を構成する鉄心で起こる損失。その内訳がうず電流損とヒステリシス損。
図に示したように、
・うず電流損は一次電圧の2乗に比例。
・ヒステリシス損は一次電圧の2乗に比例し、周波数に反比例。
一方の銅損は、「銅の損失」の文字通り、巻線という名の銅線に流れる電流によるジュール発熱。
以上の知識を元にすると、鉄損=うず電流損+ヒステリシス損 だから、選択肢の3と4はダメ。
残る1と2は、知らないとヤマ勘になってしまうが、
1.ヒステリシス損は周波数に反比例するから、「鉄損が一定」は怪しい
2.うず電流損、ヒステリシス損ともに一次電圧の2乗に比例するので、「一次電圧が高くなると鉄損は増加」は正しい。
という感じで、2が正しい記述と解答していく。
まとめ
変圧器の損失については、下の図を理解(記憶)すべし。
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