法令問題の中で、電気工事業者に課せられる義務の問題はパターンが限られているので、得点源にしよう!
習得すべきは、
- 営業所毎に主任電気工事士を置く
- 電気用品安全法の表示(PS/E)が付いた電気用品で工事する
- 所定の器具を備える
- 標識の掲示
- 帳簿の義務付け
本記事では1番の主任電気工事士について解説する。
押さえるのは、
1.電気主任工事士になれる人は誰?
2.電気主任工事士と電気主任技術者とごちゃまぜにしない
主任電気工事士
電気事業法(電気工事の業務の適正化に関する法律)では次のように規定されている。
電気工事業を営む場合、一般用電気工作物(電気工事士2種が従事できる範囲)の電気工事を行う営業所ごとに主任電気工事士を置かなければならない。
主任電気工事士になれるのは?
主任電気工事士になるには次のどちらかを満たす必要がある。
- 第一種電気工事士(未来のあなたのこと)
- 第二種電気工事士で実務経験3年以上
これについて、筆記試験では次の2つがひっかけ選択肢として出題される。
- 電気主任技術者
- 実務経験2年
電気工事士と電気主任技術者
まず、ごちゃまぜにしてはいけないのが、「電気工事士」と「電気主任技術者」。
「電気主任技術者」は、いわゆる「電験」合格者。
事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるため、設置者が電気事業法上置かねばならない電気保安のための責任者のこと。
これに対し、主任電気工事士は電気工事士(今、あなたが合格しようとしているのは第一種電気工事士)。
「保安」と「工事」、役割はまったく別物。
というわけで、「電気主任技術者」にひっかからないように注意が必要。
実務経験3年
第二種電気工事士は、実務経験が3年以上あれば主任電気工事士になれる。
で、筆記試験では「2年」と出題され、あなたをひっかけようとする。
なので、この3年という数字をきちんと記憶しておくこと。
ちなみに、第一種電気工事士はそのまま主任電気工事士になれるが、これは第一種の免状取得には一定期間の実務経験が必要であり、第一種電気工事士の免状取得者=実務経験ありだから、実務経験の「年数」は問われない。
典型的な出題
では、過去の出題をみてみよう。
H30年問39
電気工事業の業務の適正化に関する法律において、電気工事業者に関する記述として、誤っているものは。
(解答の選択肢)
- 営業所ごとに、絶縁抵抗計の他、法令に定められた器具を備えなければならない
- 営業所ごとに、法令に定められた電気主任技術者を選任しなければならない
- 営業所および電気工事の施工場所ごとに、法令に定められた事項を記載した標識を掲示しなければならない
- 営業所ごとに、電気工事に関し、法令に定められた事項を記載した帳簿を備えなければならない
2の「電気主任技術者」がひっかけになっているのが分かるだろうか?
H27年問40
電気工事業の業務の適正化に関する法律において、主任電気工事士に関する記述として正しいものは。
(解答の選択肢)
- 第一種電気主任技術者は、主任電気工事士になれる
- 第二種電気工事士は、2年の実務経験があれば、主任電気工事士になれる
- 主任電気工事士は、一般用電気工事による危険及び障害が発生しないように一般用電気工事の作業の管理の職務を誠実に行わなければならない
- 第一種電気主任技術者は、一般用電気工事の作業に従事する場合には、主任電気工事士の障害発生防止のための指示に従わなくてもよい
1の「電気主任技術者」と、2の「2年の実務経験」がひっかけになっている。
まとめ
主任電気工事士になるには次のどちらかを満たす必要がある。
- 第一種電気工事士(未来のあなたのこと)
- 第二種電気工事士で実務経験3年以上
筆記試験では次の2つがひっかけ選択肢として出題される。
- 電気主任技術者
- 実務経験2年
←正しくは主任電気工事士
←正しくは3年
本番で間違わないようにしっかりトレーニングしよう。
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