【電気工事士1種 解説】断路器DSの超重要ポイントはアーク消弧機能なし


高圧受電設備に設置される断路器DS は、総合問題も含めると 11年で 9回出題で、筆記試験合格には絶対マスター必須の超重要項目。必ずマスターすること。

とにかく最初にマスターするのは

  1. アーク消弧機能なし

これに尽きる。

これをマスターしたのち、他の重要ポイントを押さえるのが合格への最短ルート

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断路器DSの重要ポイント

超重要項目の断路器DS で最初にマスターするのは

  1. アーク消弧機能なし

これをマスターしたのち、次の重要ポイントを押さえる。

  1. 電流遮断機能なし
  2. 電流が流れているときの開閉厳禁
  3. 避雷器LAの電路の開閉器として設置
  4. 設備の点検・修理時に高圧電路を開閉

アーク消弧機能なし

高圧受電設備に設置される開閉器、付属機器は複数あるが、DSは他の機器と大きく異なる特徴がある。それは、

アーク消弧機能がない

アーク放電

アーク(放電)とは、電流が流れている状態で電路が開いたときでも、離れた金属間で電流が流れ続けたときに生じる。

電車が通過するとき、電線(トロリー線)とパンタグラフの部分でパチッと音とともに発光しているのを見たことがあるだろう?これがアーク放電。

(写真は鉄道研究所HPから拝借)

アークの温度は数千℃で、鉄、銅も溶けてしまう温度。したがって、アーク放電が持続すると、接点やその周辺の部品、機材が破壊される。

アーク消弧機能がないから

断路器は、機器をぶっ壊すアーク放電を消弧(消す)機能を持っていない。つまり、アークが起こってもアークを消すことができない

したがって、電流が流れているときにDSの接点を開放してはいけない。

というわけで、アーク消弧機能がないから、DSの重要ポイントである

  • 電流遮断機能なし
  • 電流が流れているときの開放厳禁

につながるのが理解できるだろうか?

なお、開放厳禁と書いたが、当然、1次側に電圧がかかった状態で接点を閉じるのも厳禁。放電は一瞬かもしれないが、そのときにも接点摩耗が生じるから。

反対に、遮断機CB負荷開閉器LBS はアーク消弧機能を持っていて、アークを速やかに消す。だから、電流が流れている状態で接点を開放しても、機器は壊れず、電流を切る(遮断)することができる。

→ 過去問
H29年問44(DSの特徴)
H24年問43(DSの特徴)

DSは電路を手動で開閉

構造

遮断機 CB(Circuit Breaker)や負荷開閉器 LBS(Load Break Switch)は、過電流継電器OCR とペアを組んで、過電流や地絡電流を自動で遮断する

これに対し、DSは電路を自動で開閉する機能は持たず、必ず人(作業者・監督者)が DSのある場所まで行って手動で電路を開閉するような、非常にシンプルな仕組み・構造。

手動操作の DSをどこでなぜ使うか

手動でなければ開閉できないのは不便だと思うが、 DS は何に使うのか?というと、

高圧受電設備の点検や機器修理のときに、接点を開放して電路を完全に切り離す

例えば、高圧受電設備に接続している避雷器LA の交換作業をするときを想像してほしい。

あなたがこれから LAの交換作業をするとき、LAを高圧電路から切り離す?それとも LAに高電圧がかかったまま、作業を開始する?

当然、感電事故を防ぐため、開閉器を開いて LA を電路から切り離し、高電圧がかかってない状態で作業を開始するだろう。

手動でなければならない理由

でだ、問題はこの次。

交換作業中に突然、遠隔操作で開閉器が閉じられたとしたら、あなたはどう感じる?安心して作業を続けられるだろうか?もしも開閉器の1次側に高電圧がかかっていたら…あなたは感電死しているかもしれない。

こんな状況は極めて危険、ということは、容易に想像してもらえると思う。

だから、作業中に遠くにいる誰かが誤って遠隔操作で電路をつなげて、作業者が感電してしまうような危険な状況を防ぐために、作業者(監督者)がわざわざ DSの前まで行ってDSを閉じるように、DSは手動でしか操作できないようになっている。

→ 過去問
H28年問22(DSの外観と用途)
H22年問23(DSの外観と用途)

避雷器LA の前座?

高圧受電設備の単線図で、避雷器LA の部分を覚えているだろうか?

LA と高圧電路の間には DS が設置されている。ここが CB や PF付LBS ではいけない理由は以下の通り。

LA は雷によって高圧電路に発生した異常電圧(雷サージ)を大地に逃がすのが役割。

もし、その電路にCB、LBS、PCや、PF を設置して、雷サージが発生したときに自動で電路が切れたら、高圧電路はどうなる?避雷器がその役割を果たせないことは簡単に想像できるだろう。

だから、LA の電路を開閉するのは、自動では開くことがない DSの役目。

→ 過去問
H29年問45(避雷器とDS)
H22年問45(避雷器とDS)

DSと区分開閉器

PASのところで区分開閉器についてマスターしてもらったと思う。

区分開閉器は、受電点に送配電事業者と需要家側の間の責任分界点として設置する開閉器のこと。そして、区分開閉器には LBS:高圧交流負荷開閉器を使用するように規定されている。

ここまでは、きっちりマスターできているだろうか?

で、だ。この区分開閉器には、ある条件を満たせば例外的に DS の使用が認めらている。

この例外規定のひっかけなのだろうか、過去 11年で 2回、R2年問30(DS 全般)H22年問30(DS 全般) に、次のような選択肢が出題されている。

選択肢:DS は区分開閉器として施設される

なので、R2年度の筆記試験を受けた人は、おやぁ??? と思ったかもしれない。おやぁと思っただけじゃなく、不幸にもひっかかってしまった=間違えてしまった人もいるかもしれない。

今後、この選択肢を見かけても、「すごく特殊な条件」が記述されていないときには、

「DS を区分開閉器として施設」は不適、と判断するべし。

→ 過去問
R2年問30(DS 全般)
H22年問30(DS 全般)

まとめ

超重要項目の断路器DS で最初にマスターするのは

  1. アーク消弧機能なし

これをマスターしたのち、次の重要ポイントを押さえる。

  1. 電流遮断機能なし
  2. 電流が流れているときの開閉厳禁
  3. 避雷器LAの電路の開閉器として設置
  4. 設備の点検・修理時に高圧電路を開閉

今回ご紹介した方法を実践することで、あなたが1回で電気工事士1種に合格できるように応援している!

関連問題
R2年問30(DS 全般)
H29年問19(変電設備全般)
H29年問44(DSの特徴)
H29年問45(避雷器とDS)
H28年問22(DSの外観と用途)
H24年問43(DSの特徴)
H22年問23(DSの外観と用途)
H22年問30(DS 全般)
H22年問45(避雷器とDS)

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