問題 <R2年問31>
②に示す避雷器の接地に関する記述として、不適切なものは。
<解答の選択肢>
- 保安上必要なため、避雷器には電路から切り離せるように断路器を施設した
- 避雷器には電路を保護するため、その電源側に限流ヒューズを施設した
- 避雷器の接地は A種接地工事とし、サージインピーダンスをできるだけ低くするため、接地線を太く短くした
- 受電電力が 500kW未満 の需要場所では避雷器の接地義務はないが、雷害の多い地域であり、電路が架空電線路に接続されているので、引込口の近くに避雷器を設置した
— 答え —
不適切なのは、避雷器上流に限流ヒューズを施設した 2。
【出典:令和2年度第一種電気工事士筆記試験問31】
→ 避雷器の問題を今日マスターしたいあなたには
・H30年問23(LA の役割)
・H29年問45(LA の電路(結線図))
・H28年問21(LA 総合問題)
同じ年度問題
・前の問題(問30)
・次の問題(問32)
・令和2年度(2020年度)問題
解法と解説
方針
避雷器は 11年で 8回出題されている合格必須項目。
この問題は総合問題でレベルが高いが、このレベルでも確実に得点できるように。
ふくラボ流攻略法
避雷器 LA は 第3グループに位置する。
この問題も、「単線結線図+接地工事」図を見ながら解答すること。
選択肢1
単線結線図を見ると、LA 上流には DS:断路器が接続されいる。選択肢は正しい。
選択肢2
単線結線図を見ると納得してもらえると思うが、VT上流や、PF付LBS など、単線結線図には限流ヒューズ PF は必ず記載される。
これに対して、LA 上流(電源側)には PF は存在しない。したがって、これが不適切。
(ちょっと休憩)
そもそもの話として、雷によって受電設備に異常電圧が発生したとき、PF が切断して受電設備電路から LA が切り離されたら、どうする?異常電圧はどこから地表に逃がせばいい?
このように考えると、LA上流には、異常電圧/電流で自動で切断される開閉器があってはいけないことが理解できるだろう。
選択肢3
LA 下流には A種が施されている。ここまでは単線結線図から OK だと思う。
残るは後半の文章だが、避雷器の解説記事でも解説(?)しているが、LAに施す A種は、異常電圧/電流を確実に逃がすため、特別製 A種。
A種接地工事の接地線の
- ノーマルのA種接地工事では、単線:直径2.6mm以上、より線:5.5mm2以上
- 避雷器の接地線の太さは 14mm2以上と規定されている
この数値を覚えて欲しいが、覚えなくても LAの A種は特別製であることは頭に入れておいてほしい。
選択肢4
この選択肢の内容は、重要そうに感じないのだけれど、過去に 11年で 3回出題されている曲者。合格安全圏を狙うならマスターを。
高圧架空線路から電気の供給を受ける受電電力が 500[kW]以上の需要設備には、その引込口に避雷器を施設することが義務づけられている。
一方、500kW未満だと義務はない。しかし、雷が多い地域で異常電圧が発生する可能性が高いと思われる場合は、引込口の近くに避雷器を設置することが推奨されている。
まとめ
避雷器は 13年で 11回出題されている合格必須項目。
単線結線図+接地工事がきちんと書けるようになれば、多くの問題が類推と一般常識で解けるサービス問題となる。
確実にマスターして、合格に近づいてほしい。
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