問題 <R3年午前問30>
①に示す地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器 (GR付PAS) に関する記述として、不適切なものは
<解答の選択肢>
- GR付PAS は、保安上の責任分界点に設ける区分開閉器として用いられる
- GR付PAS の地絡継電器は、波及事故を防止するため、一般送配電事業者側との保護協調が大切である
- GR付PAS は、短絡等の過電流を遮断する能力を有しないため、過電流ロック機構が必要である
- GR付PAS の地絡継電装置は、重要家内のケーブルが長い場合、対地静電容量が大きく、他の需要家の地絡事故で不必要動作する可能性がある。このような施設には、地絡過電圧継電器を設置することが望ましい
【出典:令和3年度第一種電気工事士筆記試験-午前問30】
誤りは選択肢4。ケーブルが長い場合、GR(地絡継電器)のかわりに、DGR(地絡方向継電器)を用いるのが望ましい
<PAS/UGSを繰り返し練習したいあなたには>
・R3年午後-問41(PASの外観)
・R3年午前-問30(PASの役割・機能)
・R2年問22(PASの外観と役割)
解法と解説
方針
PAS と UGS は関連問題も含めると 13年で 30回程度出題されている超合格必須項目。マスターせずに合格することは困難な合格必須項目。今日、マスターしよう。
ふくラボ流攻略法
問題文は「誤っているもの」だから、選択肢4つのうち、3つは正しい。
選択肢をそれぞれ読んでいくと、
選択肢1:正しい
選択肢2:正しい
選択肢3:正しい
残る選択肢4が誤り。この選択肢、次の文までは正しい。
「GR付PAS の地絡継電装置は、重要家内のケーブルが長い場合、対地静電容量が大きく、他の需要家の地絡事故で不必要動作する可能性がある。」
この場合、地絡継電装置には、GR ではなく、地絡の方向も判断できる DGR: 地絡方向継電器を用いるのが良い。
で、選択肢の続きを読むと、「地絡過電圧継電器を設置することが望ましい」と書かれている。ここが誤り。
まとめ
PAS/UGS は 13年で 30回程度出題されている、マスターせずに合格することは困難な合格必須項目。今日、マスターしよう。
PAS(柱上用気中開閉器) と UGS(地中線用ガス開閉器) はともに区分開閉器。区分開閉器でマスターすべき項目は次の6つ。
- 区分開閉器とは、一般送配電事業者(中電とか)と需要家(会社・工場など)の責任分界点に設置する開閉器のこと
- 区分開閉器には、高圧交流負荷開閉器(LBS) を使用
- 区分開閉器は、地絡保護機器と連携して、地絡電流を遮断
- 他所で発生した地絡のもらい事故を防ぐには、GRではなく、地絡方向継電器 DGR を使う
- 区分開閉器は地絡電流対応であって、短絡電流には対応できない。このため、短絡電流には反応しない(開閉器を作動させない)ように、過電流ロック機構が備わっている
- 地絡事故が電力系統側に波及するのを防ぐため、送配電事業者と保護協調が大切
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