【電気工事士1種】地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器(GR付PAS)(H30年度問30)

問題 <H30年問30>
①に示す地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器(GR付PAS) に関する記述として、不適切なものは。

<解答の選択肢>

  1. GR付きPAS の地絡継電装置は、需要家内のケーブルが長い場合、対地静電容量が大きく、他の需要家の地絡事故で不必要動作する可能性がある。このような施設には、地絡方向継電器を接地することが望ましい
  2. GR付PAS は、地絡保護装置であり、保安上の責任分界点に設ける区分開閉器ではない
  3. GR付PAS の地絡継電装置は、波及事故を防止するため、一般送配電事業者との保護協調が大切である
  4. GR付PASは、短絡等の過電流を遮断する能力を有しないため、過電流ロック機能が必要である

— 答え —
GR付PAS は区分開閉器。送配電事業者(中電とか)と需要家(会社・工場など)の責任分界点に設置する開閉器のこと。だから不適切なのは2番。

【出典:平成30年度第一種電気工事士筆記試験問30】

→ PAS/UGS総合問題を繰返し練習するとき
H28年問30(UGS総合問題)
H27年問23(GR付PAS総合問題)
H26年問46(PASの役割)

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解法と解説

方針

PAS(柱上用気中開閉器) と UGS(地中線用ガス開閉器) はともに区分開閉器。

超頻出問題なので、正攻法の解説をきっちりマスターし、取りこぼしのないように。

ふくラボ流攻略法

PAS(柱上用気中開閉器) と UGS(地中線用ガス開閉器) はともに区分開閉器。区分開閉器でマスターすべき項目は、

  1. 区分開閉器とは、一般送配電事業者(中電とか)と需要家(会社・工場など)の責任分界点に設置する開閉器のこと
  2. 区分開閉器には、高圧交流負荷開閉器(LBS) を使用
  3. 区分開閉器は、地絡保護機器と連携して地絡電流を遮断
  4. 他所で発生した地絡のもらい事故を防ぐには、GRではなく、地絡方向継電器 DGR を使う
  5. 区分開閉器は地絡電流対応であって、短絡電流には対応できない。このため、短絡電流には反応しない(開閉器を作動させない)ように、過電流ロック機構が備わっている
  6. 地絡事故が電力系統側に波及するのを防ぐため、送配電事業者と保護協調が大切

各マスター項目と選択肢を見比べると、1、3、4は正しい。

一方、2だけが間違えている。

非常事態解答法

不適切なものと問われたときは、「望ましい」「大切」「必要」という文言が含まれる選択肢はたいてい適切。

反対に「ではない」「不要である」という否定形が含まれると、多くの場合「不適切」。

いざとなったら、否定形を選ぶ

(あくまで最後の非常手段。当たったらもうけものくらいの気持ちで)

まとめ

PAS(柱上用気中開閉器) と UGS(地中線用ガス開閉器) はともに区分開閉器。区分開閉器でマスターすべき項目は、

  1. 区分開閉器とは、一般送配電事業者(中電とか)と需要家(会社・工場など)の責任分界点に設置する開閉器のこと
  2. 区分開閉器には、高圧交流負荷開閉器(LBS) を使用
  3. 区分開閉器は、地絡保護機器と連携して、地絡電流を遮断
  4. 他所で発生した地絡のもらい事故を防ぐには、GRではなく、地絡方向継電器 DGR を使う
  5. 区分開閉器は地絡電流対応であって、短絡電流には対応できない。このため、短絡電流には反応しない(開閉器を作動させない)ように、過電流ロック機構が備わっている
  6. 地絡事故が電力系統側に波及するのを防ぐため、送配電事業者と保護協調が大切

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PAS/UGSの解説

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