問題 <R3年午前問33>
④に示す PF・S形の主遮断装置として、必要でないものは
<解答の選択肢>
- 過電流継電器
- ストライカによる引外し装置
- 相間、側面の絶縁バリア
- 高圧電流ヒューズ
【出典:令和3年度第一種電気工事士筆記試験-午前問33】
PF・S形の主遮断装置は PF(パワーヒューズ)で限流するため、必要でないものは過電流継電器
<PF-S形の問題を今日マスターしたいあなたには>
・2019年問32(PF-S形の構成機器)
・H27年問33(PF-S形の構成機器)
・H25年問23(PF付LBSのストライカ外し)
解法と解説
方針
PF-S形システムは、筆記試験で最重要の高圧受電設備の機器の一つ。確実にマスターを。
ふくラボ流攻略法
PF-S形システムとは、主遮断装置に高圧交流負荷開閉器 LBS に高圧限流ヒューズ PF を組合せた機器を使ったシステム。
このとき LBSには特別仕様として
- 絶縁バリア層
- ストライカ引き外し機構
が求められる。
以上から、消去法で過電流継電器 OCRが不要なものと判断できる。
または、PF-S形は過電流が流れたときに PF で限流するから、OCR は不要、という判断できるとなお良い。
各機器の詳しい説明
絶縁バリア層は、PFが溶断したときに発生したアークが他の相に影響を与えないように、バリアするもの。
下図はどちらも同じLBS(三菱電機製)。左がバリア層なし、右がバリア層を取り付けた状態。
ストライカ引き外し機構とは、過電流が流れた相の PFが飛んでも(溶断しても)、他の二相はつながったまま。これだと欠相運転になってやばいことが起こり得る。なので、残り二相も遮断するために、PFが溶断すると、その圧力で溶断表示棒がPFから飛び出して、残り二相も遮断する。これがストライカ引き外し機構。
写真〇印の PF底面に見えるのが溶断表示棒の先っぽ。
そして、それを受け止めるような位置にあるのがストライカ引き外し機構の一部。下図がコイル仕掛けのストライカ引き外し機構。
溶断表示棒の先端は電気的接点の役目で、コイルを動作させる。
この溶断表示棒、ストライカは頻出事項なので、ここで一緒に理解を。
さて、問題に戻って、以上から、
・ストライカによる引外し装置
・送還、側面の絶縁バリア
・高圧限流ヒューズ
が必要なのが分かる。
まとめ
PF-S形システムは超重要なので確実に正答できるように。
PF-S形システムは、主遮断装置に CB ではなく、LBS + PF を組合せた機器を使ったシステム。
このとき LBSには特別仕様として
- 絶縁バリア層
- ストライカ引き外し機構
が求められる。
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